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2024年(令和6年)12月に国税庁と各国税局(沖縄は国税事務所、以下、局)から、令和5事務年度(令和5年7月〜令和6年6月、以下、年度)の相続税調査等の状況に関する資料(※)が発表されました。ここではその結果を含め、直近5年分の相続税の実地調査件数などの推移をみていきます。
上記調査結果などから、直近5年分の相続税の実地調査件数を局別にまとめると、表1のとおりです。
令和5年度の全国の相続税の実地調査件数(以下、調査件数)は8,556件で、前年度より4.4%、360件の増加となりました。3年連続の増加です。
局によって調査件数の増減には差がみられますが、調査件数が1,000件を超える東京局と大阪局で100件以上増えていることが、全体の増加につながりました。
調査件数に占める申告漏れ等の非違があった件数の割合(以下、非違割合)をまとめると、表2のとおりです。
令和5年度の全国の非違割合は84.2%で、前年度より1.6ポイントの減少となりました。2年連続の減少です。局別にみても、関東信越と沖縄以外の局で非違割合が減少しました。また、高松局と熊本局の非違割合が90%を割り込みました。
そもそも相続税の実地調査は、資料情報等から申告額が過少であると想定される事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告であると想定される事案等について行われるため、非違割合は高くなっているものと思われます。
所得税の調査では対象の選定にAIが活用され、申告漏れ所得⾦額の総額及び追徴税額の総額が過去最高を記録したとの発表があります。2025年夏から相続税の調査にAIを活用するとの報道もあり、所得税と同様な事態になることも予想されます。
相続税について不安をお持ちの方は、お気軽に当事務所にお問い合わせください。
(※)国税庁「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」
各局の調査結果は、以下のページにある各局の発表から確認いただけます。
国税庁「各国税局発表分」